2009年09月25日

探偵神宮寺三郎 灰とダイヤモンド

 PSPソフト『探偵神宮寺三郎 灰とダイヤモンド』をクリア致しましたので感想をば。

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公式:http://www.arcsystemworks.jp/jinguji4/

 探偵神宮寺三郎シリーズは、私の中ではEVEと並ぶくらいに好きなアドベンチャー作品シリーズ。第一作がディスクシステム時代のリリースですから、今年で20年を超えている息の長い作品でもあります。

 PS2で最後に出た『kind of blue』以降は携帯アプリやDSで新作も出ていましたがその辺は未プレイ。今回はPSPでのリリースということになりますので、個人的には4,5年ぶりの神宮寺新作ということでかなり期待して購入しました。

 総評としてはファン補正で70〜75点というところでしょうか。神宮寺シリーズの世界観を崩すことのない渋い大人のストーリーは今回も健在で、PSPということで期待された曲の方もジャズテイスト溢れる良い曲ばかり。従来のファンであればほとんど違和感なく今回の新作もプレイ出来ると思います。

 ただ、携帯機種作品ならではということなのかボリュームがかなりあっさりめ。「一回のプレイでは全ての真実に辿り着けない」を謳い文句にしていたので複数回プレイでのフラグ解除方式なのかと思いきや、単なるマルチシナリオのコマンド総当たりシステムでした。フローチャートシステムで簡単に既読のシーンまでスキップ出来るので、総当たりにかかる時間と手間も節約出来る分、それほど時間がかからずに全てを読み終えてしまいます。

 ストーリーは上記の通りマルチシナリオ型。基軸となる「灰とダイヤモンド」というメインストーリーの他は寄り道的な短いサブシナリオが数本。全てのストーリーが複雑に絡み合うのかと思いきや別にそうでもなかったのでちょっと肩透かし感は否めません。サブシナリオも短いながら良質の出来なので不満点というほどでもないですが、でもやっぱりボリュームとしては少々物足りないかも。サブシナリオをもっと長くするか、数をもう少し用意するかで補って欲しかったですね。

 メインストーリーは遺産捜索案件、失踪ホームレス捜索案件から、とある不動産会社の株主総会に於ける議決権を巡っての水面下での攻防へと発展する渋ぅい展開になります。途中からは都庁職員と暴力団事務所が絡んだ地上げ詐欺事件なども絡み、話としてはかなりよくまとまってます。スリリングな展開もありますし、作品全体のテーマとも言える「家族愛」を織り交ぜてしんみり感じることの出来るシーンもありで、メインストーリーは退屈することなくラストまで読み進めることが出来ました。

 ただ、話のキーマンとなる敵役・与那国がかなりあっさり退場し、そこから決着が付くことなく話が大団円でゲームが終わってしまうので、「あれ?もう終わりー?」的な物足りなさがここでも登場。謎の多い付き人や素性の分からないホステスの正体などもはっきりしないままで、「とりあえず皆の大事なものが守られたので良しとしよう」的な締めになっちゃいます。続編への含みを持たせているのか、途中で区切ったのかはわかりませんが、全体のボリュームが少ない分、消化不良気味に終わるメインストーリーへのもどかしさは特に感じられますね。

 また、快適なさくさくプレイを意識してのことか、コマンド総当たりと言ってもほとんど選択するコマンドは限定されているので、快適さと同時に「迷う楽しみ」がかなり削られている印象も受けます。ボリューム不足感の要因の一つにもなってますかね、ただこればかりは、選択肢が多くて不親切なナビを古くさいアドベンチャー方式と嫌う意見を考慮してのことだと思いますので、一概に良い・悪いと決められないところですが…

 そして大きな不満点の一つが声の変更。あまり予算をかけていないのか有名所の声優を起用していない弊害は、折角のムービーシーンでの雰囲気を削いでしまう残念な現象を起こしてしまいました。これまでPS,PS2版では大塚明夫や小杉十郎太など皆が納得する渋い声優を起用してイメージを固めて来ただけに、今回のがっくり感は些細な所ながら結構ダメージはデカイです。後、いい加減洋子くんの声のイメージを統一して欲しいかも。やたら大人しくてぼそぼそ喋るような演じ方の作品もあるかと思えば、今回は妙に甲高くて幼すぎる声を採用したりと未だにイメージ統一が出来ていません。知的なお姉さんキャラを演じられる声優さんも増えてきましたので、そろそろこの辺りはイメージを固めて欲しいですね。

 と、大好きなシリーズだけに期待も込めた不満をダラダラと書いてしまいましたが、おそらく神宮寺好きの皆様であれば同じような感想を抱くであろうと思いますのでご容赦を。神宮寺好き仲間のsiro様の感想もそのうちお聞きしたいところですが(笑)

 そんなわけで携帯機種ならではのボリューム不足感以外での、作品の中身的には不満らしい不満もありませんでしたので、次あたりは久々のPS2で中身にも声優起用にももう少し力を入れた神宮寺作品をプレイしたくなって来ました。待ってますわよー。
この記事へのコメント
もうプレイされたのですか!
私とりあえず積んでます〜。
概ね評価は良いようですので、ちょっと安心しました。
でも、全ての文章を読んだときに真エンドにたどり着くようなタイプを期待していたので、
そこはちょっと残念ですね。

今回は声優さんが駄目なのですか…がっくり。
DSと違って声が入る! やった! と喜んでいたのですが、
今までの方より大きく知名度が下がる方のようですので、ちょっと残念です。
大塚明夫さんとか、声が渋〜くって素敵でしたので、
主に私の心の中でかなりの衝撃と緊張が走りました。
いえ、大丈夫、大丈夫、覚悟は出来ました。

洋子さんは、声ももちろんの事、絵や雰囲気もずいぶんな七変化振りなのが気になっています。
作品によっては別人なのですよね。

ネタバレのあたりはまだ未プレイですので斜め読みさせていただきました。
プレイする折にははしゃぎ回ったプレイ感想をブログで書いてしまう思います。
プレイし終わったら中心部分の感想もじっくり見させていただきますね。
Posted by siro at 2009年09月25日 21:48
>siro様

 早速のコメント有り難う御座います!細かい不満点はおそらく携帯機ならではの快適さとコンパクトさ重視との引き替えという面も強いと思いますので、音楽・ストーリー等は長年のファン納得の出来で御座いました。それだけに声の違和感が地味ながらもこたえます。ま、これも携帯機ならではの(以下略)ということで何とか消化して…うん、消化しよう。次は久々のPS2等据え置き機種での新作が見たいですね。

>洋子さんは、声ももちろんの事、絵や雰囲気もずいぶんな七変化振りなのが気になっています。作品によっては別人なのですよね。

 個人的には『夢の終わりに』、『灯火の消えぬ間に』あたりのPS期の洋子像が好きなのですが、その辺を踏まえてキャラ像を固めようかという時になってPS2『Innocent black』に於けるスポットの当て方と展開失敗のおかげで、一気に崩されてしまったのが非常に残念。おかげで続編の『kind of blue』で伏線回収の必要性からキャラ像に不必要にメスを入れざるを得なくなるという作品越しの難題を抱えてしまったのが未だに引きずられている感じがします。

 あの、くっつくかくっつかないか辺りの関係が至高だということを、『Innocent black』のライターさんは分かってなかったんでしょう。んもう。
Posted by talk(管理人) at 2009年09月28日 01:00
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