2010年04月19日

PSP版burst記04

 本日は12月4日のまりな編のレビューですね。この日のまりな編と言えばプールでのシーン。

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 PSP版でもこういうCGが欲しかったですねえ。サービスCG的な意味合いではなく、真弥子を不安そうに抱えるまりなのこの表情。今回の変更点のポイントですね。

 ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読みください。

 プールで小次郎と出会う、本作初のサイトチェンジ箇所が含まれるまりな編の12月4日。プール〜真弥子襲撃シーンの流れは原作と同じですが、今作では襲撃事件に於ける真弥子の感情が原作と大きく異なってます。ちなみに原作では同日の12月4日に夜の学校に呼び出されてシリアと格闘するシーンがありますが、PSP版ではこのシーンが大きく変更されて次の日に持ち越されてますので、まりな編の進行スピードはこの辺からかなり違いが目立って来ます。

【まりな編 12月4日】

・エルディア国際学校では身分証が接触型ICカードを兼ねたIDカード。本部長、まりなの身分証をもしもの時のためにコピー。しかし「もしものときのため」と言われると反対のしようが無いけど、コピーする必要あるのというまりなの疑問。この辺は後に触れられる?

・こういう機器等の細かい部分は時代設定を相当反映。報告書はノートパソで打って本部長宛に添付メールで済ますとか。弥生と携帯番号とメアドを交換したりとか。

・学校のプールシーンは基本同じ。まりなと弥生、小次郎とプリンのやり取り内容は基本変わらず。ただしこの場所に授業中の真弥子と氷室も居合わせており、壊滅的なまでに可愛くないスク水姿を披露。ちなみにここがゲーム初のサイトチェンジ箇所。

・真弥子が連れ去られるシーンが大幅変化。カツラと眼鏡で遠目から真弥子と印象付けるように変装をした男がまりなを陽動し、その隙に真弥子が連れ去られるという流れに。遠目で判断しづらいとはいえ、女装男に見事に引っ掛かるまりなが余りにもアホ過ぎて泣けてきそう…

・小次郎の助けもあって連れ去られようとする真弥子を救出。原作では危ない時に駆けつけてくれたまりなに、真弥子が心を開き始めるシーンとなるが今回は真逆。まりなが居る所為で危険に見舞われるようになったと真弥子に反発される。しかも事実だけに反論出来ずに凹むまりな。どうも全般的にまりなの格好良さが随分ダウンしたような…

・御堂が真弥子を平手打ちするシーンがここに変更。原作ではこの翌日、ホテルでの爆弾爆発前になるこのシーンが真弥子襲撃後のこの時期に変更。原作では真弥子の母親が爆弾テロで殺された事などを思い出すようにと殴る御堂だったが、今作ではプールでの襲撃騒ぎを受けて、まりなの護衛任務の中止を父である御堂に申し出た流れ。御堂パパから平手打ちを食らってしゅんとしながら不承不承で受け入れる真弥子。

・一方真弥子からの信頼を得る機会を大きく失ったまりなとは気まずい空気で、結局この日の夜はお互い黙りで過ごすことになってしまう。頭痛を抑える薬はインシュリンではなく普通の薬品になっているので麻薬うんぬんで真弥子を叱り、心配するシーンも無し。


 上にも書きましたが、原作では同日内だったプールでの襲撃騒ぎと夜の学校でのシリアとの格闘シーンが、PSP版では後日に変更されているので全般的にはプールでの襲撃騒ぎを中心にゆっくりと進行します。

 12月4日開始直後には身分証のコピー等のやり取りが挟まれて、この辺のツール的な話も語られます。原作は15年ほど前に書かれた話になりますから、携帯電話や非接触型カードセキュリティなどの技術も一般的では無かったために、大使館や学校等のセキュリティまわりの記述もそれほど専門的で難解な感じでは無かったですが、今回は流石にこの辺の描写にも言及して現在のセキュリティ事情を意識した記述になってます。特に小次郎編で氷室がセキュリティ破りを披露したりという流れになりますので、まりな編でもこの辺りの描写が結構細かく描かれてますね。

 しかし、やはり原作になかったこういう細かい技術的な描写の挿入のちょっと浮いている感は否めず、仕方がない事とは言え記述そのものの唐突さが気になります。必要と言えば必要だとは思いますが、作品的には別段それに関しての専門的な記述を必要とされているわけでも無いと思いますので、その折々で最小限に触れるくらいの案配で良いのかなという印象。明らかにこの後でこのテの技術的な話を駆使してストーリーに絡めますよ宣言をしてるようなものですからねえ。前フリだとしたらちょっと目立ちすぎかなーというところでしょうか。細かい所なんですけど。

 そして主人公である小次郎とまりなが初対面となるプールシーン。ストーリー的にも大きく動き出すシーンでもありますが、同時に女性キャラの水着CGが拝めるという一種のサービスCGシーンでもあります。ただ、残念ながら後者の意味合い的には原作には遠く及ばず、中途半端に真弥子や氷室のロリ水着姿を見せられても…という印象。PSP版リメイクに当たってやはりどうしてもキャラデザの変更というのは意識してしまうものではありますが、それ自体の優劣というよりも、このシーンに於ける「ここがサービスシーンだぞ!」的な意味合いはかなり薄くなってしまった感じですね。

 これはPSP版に於ける大きい変更点の一つで、18禁要素の排除が単純なCGでの規制だけではないということを感じさせてくれます。勿論PSP版でも意図的な女の子のサービスCGというものが存在はしておりますが、真弥子やネルがメイドカフェでコスプレをしているCGという、原作の何処を突いても出てくるわけがないモノをサービスされてしまうので正直凹みます(笑)

 ここまではそれほど大きな変更はありませんが、真弥子襲撃シーン付近は原作との相違がかなり目立ってきます。上に書いた通り、まりなをおびき出しておいてその間に真弥子を襲撃という流れは同じなのですが、大きな変更点はその後。ここで真弥子がまりなの護衛に大きな反発と不信感を抱くようになるという点ですね。原作ではこの襲撃騒ぎをきっかけにして、まりなの「真弥子ちゃんを守る」という言葉を、言葉と任務だけではない想いとして真弥子が受け取るようになるんですけどもPSP版では一転。まりなが居る所為で真弥子が襲われるんだという感じで反発します。元々それ自体が御堂らによる画策なので真弥子の反発がその通りなのは勿論なのですが、ポイントはそれを真弥子がどう受け取っているかという点。

 原作でも真弥子は当初エルディアの王位継承に何ら興味は無く、自身の好まない立ち位置のために自分に災難が降りかかることを嫌っていました。それがついには王位継承を決心するまでに至るまでには、様々な人の想いに触れて行き、周囲の意見や状況に流された結果ではなく真弥子自身の意思によって決心したからだという経緯がありました。御堂は、真弥子を平手打ちしたシーンで語ったように、真弥子の母親がテロで殺されたことへの怒りや憎しみを刺激してそこに至るようにと誘導した節が見受けられます。「王位を継承するのは復讐のため」。原作の爆弾爆発シーン後、内調のソファでまりなと眠るシーンでそう真弥子が呟いたように、確かにそういう一面もありましたが、決してしそれが全てではありません。様々な人の想い…御堂、アクア、プリシア、小次郎、弥生…その中でも特にまりなの想いが大きく、プールでの襲撃シーン前後というのはそこに真弥子が気付き始めるというかなり重要なポイントになるのですが、どうもPSP版ではその辺までもがかなり削られてしまった感じですね。

 例えば真弥子の頭痛を抑えるインシュリンをまりなが麻薬と勘違いして叩き割るシーン。これはインシュリンと思っていた薬が実は…という、ストーリー的な伏線の意味合いも大きいのですが、それ以上にまりなの真弥子を想う気持ちを端的に表現しているシーンでもあるわけです。PSP版はこれもばっさりカット。ホントに、これだけは削っちゃいかんだろというシーンをばっさばっさと削って来てるなあ…という印象です。

 真弥子が襲われ、それをまりなが守る。

 まりな編の中盤まではこの流れでストーリーが進行します。そこで明らかにされるのは、どうして真弥子は襲われるのか、真弥子を襲っているのは誰なのか。でもそれだけを描いているわけではありません。何故まりなは真弥子を守るのか、そして真弥子は何を感じ、何を記憶していくのか。それをユーザーが感じられるように描くからこそだと思うのですが、PSP版の改編でこの辺りはかなり弱くなってしまいましたねえ。中盤〜終盤でその辺りにどう触れていくのか。生ぬるく見守ってプレイして行きたいと思います。
posted by talk at 17:24| Comment(2) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しみにしていますが
psp版EVEやっていて悲しくなったりしませんか?
なんかもう言葉では表せないくらいのモヤモヤ感が
ありここまでしてまで出す必要性があるのか
疑問に思います。
Posted by 曹長です at 2010年04月21日 00:13
>曹長様

 ま、確かにプレイしていくに連れて原作との齟齬・相違点も次々に明らかになりまして、やはり中には「改悪」といって差し支えないような部分もありますねえ。

 PSP版はリメイクというよりもうリファインに近いくらいに再編された物語ですから、我々が知っているEVEシリーズとは明らかにベクトルが違うストーリーとして再構築されてます。そういう意味では結構評価できる部分も多いんですよね。「変えてきたこと」そのものをばっさりと斬っちゃうのは流石に勿体ないかなという思いもあるんですが、いかんせんPSP版は文章そのもののレベルが明らかに低いというのが致命傷でして、EVEという作品そのものと向き合ったり、今後の展開に期待したりという以前に、読み物ゲームとしての魅力に欠けているのがまず残念ですね。

 PSP版のようなリファインの方向性はむしろ面白いと思います。例えば氷室の大幅変更。個人的には勿論今までの氷室を愛しておりますので、今回の氷室像がこれまでの氷室像に取って代わってしまうというのは勘弁願いたいのですが、結構キャラ的にはかわいらしく仕上がっていてグッドな部分もあります。しかしまりなが考えられないくらいマヌケな言動をしたり、小次郎の飄々とした部分が薄れてただのイケメン探偵にしかなってなかったりと、全般的にはキャラ描写の薄さが目立つんですよね。

 もし次も考えているのだとしたらEVE云々よりも先にゲーム作品としての完成度と質の向上を期待したいですね。そこがクリアされるのだとしたら、ロスト以降のリファインでまたEVEシリーズが新作を出していくというのも歓迎出来ると思います。
Posted by talk(管理人) at 2010年04月22日 14:57
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