2010年04月26日

PSP版burst記05

 ストーリーも中盤に差し掛かり、次々と新たな事件と陰謀の香りがし始める小次郎編の12月5日。ちなみに原作ではこの5日に酔っ払った弥生と会話→マンションまでおんぶのシーンがありますが、PSP版ではそれが翌日になってます。急展開でどんどんと自体が進んでいく原作に比べると、PSP版の方がややゆったりとしていて現状の事態説明に時間を割いている展開になりますね。

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 本日の流れに相当する原作のCGがありませんが、多分プリンのこのシーンの辺りと被るところもあるだろうということで今回はコレ。PSP版ではこの可愛らしいプリンは登場しませんので、その意味も込めて。

 ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読みください。

【小次郎編 12月5日】

・昨夜、忽然と姿を消したプリシアを探すところから開始。その過程で氷室と図書館で会話し、氷室のハッキング特技について描写。つまらない学校に出なくても良いように出欠や成績データを改竄したりしているとのこと。

・学校前で真弥子とばったり出会い、大使館を案内される。その後港に停泊中のV.S号を見るために散歩。真弥子は小次郎の淡く惚れているらしく、真弥子の側からこれを言い出すという展開。ちなみにまりな編で真弥子の身辺警護の方針を転換し、まりなは離れたところから真弥子をガードするように決めたので、まりなが二人を尾行するような形になる。そのまりなの姿がなんだかマヌケ。

・プリシアを知っていそうなメイドのネルに情報が聞き出せないかと小次郎&真弥子、メイドカフェに入る。真弥子、好奇心と小次郎の希望と言うことでメイドコスプレを披露。いわゆるサービスシーン?

・真弥子との束の間のデートが終了したところでネルと会話。ネルは小次郎がプリシアを誘拐したと思っている。ネルは、プリシアに賞金を賭けた連中とは違うとのこと。成り行きでネルからの依頼で小次郎がプリシアを探すことに。

・クライアントであるネルからプリシアの素性と、それを追いかける悪者の素性が語られる。原作とは違ってここで早々にプリシア・レム・クライムがエルディア王族関係者であることが判明。長いので後述。

・ネルと別れて後に孔の家から二階堂が飛び出してくる。ここに氷室も加わって…の死体発見状況等は同じ。孔を探っていた氷室が死体発見現場に出くわしたのではなく、小次郎への興味から後を尾行してきた氷室も死体を見てしまうという感じ。大きな狼狽等の描写はないが、やはり諜報員設定の原作よりはショックが大きい模様。


……

 この日の小次郎編はネルとの会話からプリシアの王位継承問題のバックボーンを聞き出し、夜になって孔宅で死体を発見するというのがこの日の大まかな流れ。プールでの襲撃騒ぎの夜には孔の死体を発見する原作と比べると、状況的にはまったりと進行する一日になりますね。

 先のプールでの襲撃騒ぎの時に自分を守ってくれた小次郎に淡い恋心を抱き始めている真弥子。町中でその小次郎と偶然再開した真弥子は、この前のお礼の意味も兼ねて小次郎にエルディアに関連する施設を案内することになります。原作終盤、トリスタン船上で真弥子は小次郎に結婚してくれと言い出すシーンがありますが、原作の場合は何故真弥子があれを切り出したのかの明確な理由は説明されていません。原作に於ける二人の出会いはトリスタン船内で傷付き倒れている小次郎を偶然真弥子が見つけて手当をした辺りから描かれており、プールでの襲撃時に守ってくれたとはいえ、それまではほとんど顔を合わす程度の接触しかありませんでした。そういう状況での唐突な結婚宣言。真弥子が本当に小次郎のことを愛していたから…という理由は流石にちょっと考えにくいですね。

 原作ではこの時即位に必要な玉璽は真弥子が所持してましたが、御堂らの思惑を余所に真弥子は即位を宣言せず、自身の意思でプリシアに王位の譲渡を決心しますが、この時点で既に真弥子は自分自身の身体についてある程度気付き始め、自分が生きた証を残したいという思いが強く芽生え始めることになります。まりなに守られ、様々な人と出会ったこの数日で真弥子自身の意思表明であると同時に、ドロドロとした王位継承問題に利用されていることへ嫌気が差したという部分も相当強かったはずで、小次郎との結婚を宣言したことは、父であると同時に自分をそういう状況下に起き続けた御堂らへの反発の意味も込められていたのではないかと思います。王位を手放し、その後に続くであろう政略結婚絡みの問題も回避するため、一般人との結婚を公式に表明…小次郎には少し気の毒ですが、成り行き上真弥子にちょっと利用された感もあります。もっとも、何も知らない小次郎を自分の為に騙して利用したというわけではありませんが。

 PSP版では随所に小次郎に対する真弥子の好意・淡い恋心の描写が見られますので、終盤ではこの辺の印象が変わってくるかもしれませんね。原作でもこの結婚宣言自体はかなり唐突ではありましたが、花火を見上げながらのシーンで小次郎が「何故か断れなかった」と述べているように、真弥子の強い意志に触れたような描写もありますし、PSP版ではその辺をもう少し強調してくるかもしれません。この日の二人のデートはその辺の布石になっているのかもですね。

 それならそれでこの束の間のデートシーンの追加は全然OKなのですが、だからってメイドカフェで真弥子がメイドコスプレするという展開は無いだろーとつっこみは入れておきたいところです(笑)。18禁要素が無くなったとはいえ、やはり何処かでサービスCGは入れなければということなんでしょうけども〜。

 さて、その後には今までほとんど触れられてこなかった新キャラ・メイドのネルとの会話が始まり、プリシアを取り巻く王位継承問題の状況が語られることになります。原作ではまだその時点で「さる高貴な御方」の従者になりきっていたプリンの口からそれが語られ、彼女が記憶を取り戻した時点でプリシア自身の口からそれが語られることになりましたが、PSP版ではネルとの会話で判明することになります。
 
 エルディア絡みのバックボーンは、単純に「国王の狂気」程度しか触れられなかった原作と異なってかなり細部まで設定されていますね。ネルとの会話で判明するのは以下の通り。

 ・十数年前にエルディアで共産主義革命が起こり王族が国外逃亡。王はアメリカに、プリシアの両親であるレム・クライム一族は日本に亡命し、同家に仕えるネルの一族もそれに従う。プリシアは日本で育ち、ネルもプリシアに仕える形で日本で過ごす。

 ・王と共にアメリカに逃亡していた王子が亡命政府を率いてエルディアに戻り革命政府を打倒して王政復古。王子にとって彼以外の王族は自分を見捨てて国外逃亡をした裏切り者として強く恨んでいた。そのため王子が新たに政権を掌握して後に、彼は他の王族を次々と粛正する。この為、プリシアはエルディアに王政が復活しても戻ることが出来なかった。

 ・この王子がそのまま次のエルディア王となるが数年後に突如死亡。若くして急逝した為に後継者が決まっておらず、次の王を擁立するために派閥抗争が勃発。日本に亡命していたプリシアに白羽の矢が立つも、プリシアはこれを固辞。政情不安定なエルディアよりも日本で平穏な生活を送りたいという。

 ・12月9日の戴冠式の日まで逃げて王位継承問題から逃れようとするも、同時にプリシアを保護しようとする人々からも逃げ出すことになり、また政敵と見なしてプリシアを排除しようとする対立派閥から命を狙われることになっている。


 民主化運動の結果政権を失ったという原作に比べると、かなりエルディア政治史のディテールに触れられています。大きく異なるのが「前国王がアメリカに亡命していた」こと、そして「首相であるアクアによる民主化政変運動が起きていない」と言うことですね。
 
 原作では前国王の恐怖政治に至るまでの過程というのは明確に触れられていませんでしたが、PSP版では自身が一度共産主義革命の結果祖国を追われたという記述が加わったことで、自分以外の王族を強く憎む理由がより明確になりました。

 と、同時に一つ失われたオイシイ設定が、二つ目に挙げたアクア首相による民主化政変運動。妾腹とは言え実の娘であるアクアが政治的に自身に刃向かって来たという因縁の背景があったわけですが、どうやらこのままだとPSP版ではアクアは王族の一人というくらいで終わるみたいで、原作のようなキーパーソンの一人というわけではなくなるみたいですね。アクアは前国王の恐怖政治を打倒するために、暗殺や暗闘ではなく民主政治化という手段で実の父親と退治することを決意します。しかしその実現の為にはやはり血も流れましたし、彼女自身もまたその汚名を背負いながら実の父と、そして自分自身にも流れている王族の血との決別を覚悟して戦い続けて来たわけです。剣や斧を手に立ち上がれば血は流れる。しかしそれらを使わずとも血は流れる。原作ではエルディア玉璽の作者の遺した言葉が意味深な恐怖感と共に作中に登場しました。

「我に触れし者よ、その罪は深く、神刃によって地獄の業火に焼かれん…」

 …あれ?そういやこのセリフもPSP版では削られちゃってますね。結構大事なメッセージだと思うんですけどねー。残念ですなあ。

 長くなりましたが、この日の最後は孔宅で死体を発見して〜の流れで終了。狼狽する二階堂、そして原作とはまるで別人の氷室と共に死体を発見することになります。完全別人の氷室に関しては後の大使館突入シーンの時にまた改めて触れることにしますが、個人的にはこの思い切った変更で生まれたキャラは割と良い感じに仕上がっていると思います。しかし勿論我々の知っている氷室を打ち消して取って代わることの容認には決してなれませんので、これはこれでという感じでプレイするくらいが良いんじゃないでしょうか。
posted by talk at 19:13| Comment(2) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちょっとした疑問ですが
普通王族とかのVIPはSPがつくと思うんですが
原作ではまりな警護
解任後は大使館軟禁で必要ないですけど
PSP版では明らかに怪しい探偵とデートとか
ましてメイドカフェとか論外だと思うんですが・・・
Posted by 曹長です at 2010年04月26日 20:32
>曹長様

 一度プレイしてしまうと真弥子が王位継承者というイメージが強くなっちゃいますが、ゲーム内ではそれが発覚するのはプリンセスホテル爆弾事件の後、内調オフィスで泊まった際に真弥子がそれを打ち明けたことによって日本政府がそれを知ることになりますので、まりなが任務で護衛している段階ではあくまで「大使のご令嬢」という扱いになってます。要人の親族という点では護衛等の要望も疎かには出来ませんが、SPで完全警護して…というほどのVIP扱いはされてなかったでしょうね。原作でも護衛任務の初期はまりな自身も「大使のワガママに付き合ってる」という感覚を抱いていたような記述が見受けられます。

 ちなみにこの王位継承問題が明るみになった直後の翌朝には、事態を重く見た日本政府がまりなの護衛任務の打ち切りを通達するという流れになるのは御存知の通りですね。最初から王位継承者という点を全面に押し出さなかったのは、真弥子の周囲で騒動を起こさせることで彼女の王位継承の正当性を宣伝しようとする御堂らの思惑によるもので、一方では真弥子護衛任務失敗の責任を感じさせることで、まりなら内調が積極的に動きづらくするような意味合いもあったのかもしれません。勿論結果的にはまりなにはあまり通用しませんでしたが。

 PSP版でもその辺はあまり変わっていないのですが、仰るとおり怪しい探偵とのデートを阻止しなかったりと、原作に比べるとまりなの護衛任務失敗の印象が結構強くなってますね。おかげでまりながとても一級捜査官とは思えないようなマヌケな失敗や言動をするようになって悲しい限りです。ちなみに何故この時点でまりなが真弥子と小次郎のデートをみすみす許してしまったかについては、同日のまりな編のレビューで触れますのでそちらでどうぞ〜。
Posted by talk(管理人) at 2010年04月27日 23:30
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