2010年05月14日

PSP版burst記07

 昨夜、孔宅で死体を発見した流れから後半に向けて事態が動き出す小次郎編の12月6日。エルディア国際学校校長宅で発見された死体、そのエルディア王家の王位継承者の一人であるというプリシア、そしてプリシアと同じく左右で異なる瞳の色を持つ者が連続して殺害されているという事件…小次郎に絡み付くエルディアという名の糸。そしてこの日の夜、かつて小次郎と赤い糸で結ばれていた女性との間に、また新たな糸が紡がれ始め…という感じですかね。

100514.jpg

 PSP版の弥生には、この”がっつき”が無いんだよ!(笑)

 ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読み下さい。


【小次郎編 12月6日】

・事務所に氷室がやって来て、昨夜の死体が孔であることをニュースで知る。小次郎に依頼したデブとは別人。学校は無期限休校になったと校門前で出会った雪乃が説明。

・孔宅前で弥生と遭遇。二階堂が昨夜から連絡が取れないとのこと。そこに息吹がやって来て、二階堂の件で弥生を署に連れて行く。


 細部の差はあれど大まかには原作と同じ流れになってますね。原作ではこの辺りから氷室との協力体制が築かれ始めることになりますが、潜入捜査官だった原作と違ってPSP版の氷室は普通の女子高生。そのため、興味本位で事件に首を突っ込もうとする氷室と、その危険さを理解していない彼女を止める小次郎という構図になってます。

・ネルの依頼であるプリン探しを開始。大使館、港、学校、ショッピングモールを探索するもプリシアは見つからず。息抜きでメイドカフに訪れ、ここでネルのコスプレCG(メイド服、巫女、スク水、ボンテージ)が拝める。
 
・一通り回るもプリンは見つからず。そして小次郎の閃きでプリンを発見。場所は何と台所用品店。軟禁状態で家庭的な感覚に餓えていると予想→台所用品に囲まれているとストレスが紛れるかも…→発見!の流れ。


 原作では架空の王女に仕える従者といった感じで接していたプリンですが、PSP版ではプリンとプリシアの別人格設定を廃し、プリシアは最初からエルディア王家の人間として登場させ、プリン人格だった部分をメイド少女・ネルといった新キャラに分けて登場させていると理解しても構わないと思います。そのネルからの依頼で、退屈な監視・保護下から飛び出したプリシアを探すシーン。途中、サービスシーンとしてメイドカフェで色々なコスプレをするネルのCGが入りますが、シーン的にもCG的にも本当にイラネといった感じのお茶濁しでかなり心が折れるシーンと言えるでしょう。

 新キャラ・ネルの設定は上に書いた通り、原作で言うところのプリン人格を抽出して別キャラにした感じ。催眠術で別人格を作り出して逃亡した原作の設定をわかりやすくしたということなのかもしれませんが、折角後半で判明する衝撃設定がまるまる抜け落ちることになるのはやはり残念ですね。ネルの持つ可愛らしさというのも、残念なことにステレオタイプなメイドキャラという設定に依存している部分が大半で、ネルだけが持つ魅力という点ではかなり乏しい気がします。同時にプリシアからプリンの持っていた可愛らしさが差っ引かれているわけで、しかもその王族としてのプリシアという人物が、このPSP版では単にワガママなだけ少女になってしまっているのが大きなマイナス。それに関してはこの後のシーンで触れることにしましょう。

 ま、そんなこんなで小次郎の閃きでプリシアを発見することになるわけですが、普通こういう感じの、居なくなった人物を捜すというシーンは、一通り回った後にそのキャラが行きそうな場所をふと思いつくという流れになります。その場所は例えば思い出の場所であったりと、何かキャラやシーンに由来する特別なものを感じさせるものになるはずなのですが、PSP版では何となんの由来も思い出もなく唐突に出て来ます。しかもそれが特徴的なロケーションや背景箇所というわけでもなく、ただのホームセンターの台所用品店というのだからオドロキです。しかもしかもその小次郎が閃いた理由というのが、

プリンは料理が好きな家庭的な少女だった
       ↓
そんな彼女は保護下の軟禁状態で得意な料理も作れずにストレスがたまっていたはず
       ↓
そのストレスを解消するには大好きなキッチン用品に囲まれることの出来る場所だ!
       
 アホか。とまたしても突っ込んだ名探偵小次郎の推理になるわけですが、それを聞いたプリシアも「流石ですわ」と答えるという、これまたアホか。と思わず声に出してしまったシーンになってしまいました。

・ネルの依頼は完了し、プリンを黒服連中に引き渡す。プリシアは国王になんかなりたくない、逃がしてくれと小次郎に頼むも小次郎が断る。情勢不安定な途上国には娯楽もなく、自由もない。そんなとこに帰るのは嫌だ、とのこと。

 「私は絶対に次期国王を巡る争いには関わらない。王位継承者として名乗り出ない。エルディアになんか絶対に帰りませんわ。」


 PSP版の非常に残念な変更点の一つが、ここまで散々述べて来ていますが、このプリシアの性格の大幅変更。設定そのものが大きく変更され、エルディア政変に追われてプリシアは幼い頃に日本に亡命。そうして幼い頃からの大半を日本で過ごして来たプリシアに、いきなり王位継承の為に本国に戻れと突きつけるのは確かに酷というものでしょう。記憶も思い出もほとんど無い、中東の小国の「王族として果たすべき義務」を強要されたところで、その実感が湧くはずもなく、戸惑いとそれ以上の反発が生じるのはむしろ当然…という流れ自体はわかるんですけど、流石にここまで180度キャラ設定を変更されるとかなりツライですね。

 政治の世界は果てしない騙し合いと憎しみが連鎖する権謀術数の世界。しかし自分を待つ国民のため、それでも王位に就くことを決意するあの稟としたプリシア王女の姿は何処へやら…プリンセスホテルの襲撃シーンでディーブの部下からプリシアを逃がすために奮闘した小次郎の雄姿も、何故そうまでして小次郎がプリシアを守ったのかという経緯も、まあ恐らくこのままでは相当残念なことになってしまうと思うのですが、ここからラストに向けてプリシアがどういう風に決意していくのかという点も生ぬるく見守って行きたいと思いますが、どうも他の御方の感想を見ても逆転トライがあるという感じでも無さそうなんですが… 

・依頼をこなしたものの、嫌がるプリシアを目の当たりにしてすっきりしない小次郎。酒の力が必要とカノーパスホテルのバーに赴くと雪乃と出会う。良い感じの空気が流れるも、会話の中身や本人の雰囲気からただの校医ではなさそうと推測。

「仕事は仕事でも学校の仕事じゃなくてもっと俗悪な何かのため…なんとなくそんな気がする。あの女の香りは危険すぎる。」


 原作にはない、雪乃を描写するシ−ンですね。同日のまりな編ではこの雪乃の正体が明らかになる展開になってますので、その辺りを小次郎サイドから補完する形になっているんでしょう。それにしても小次郎は一目見ただけで雪乃の素性にある程度気付いているというのに、肝心のまりな編では雪乃を訝しむようなこのテの描写は一切なく、まりなの警戒心の無さや観察眼の鈍さが露呈されてしまいます。ほんと、原作のまりなが泣いちゃうよ?というくらいのダメダメ捜査官を驀進するPSP版まりな。一体どこまでこの株が下がり続けるのでしょうか。

・酔った弥生から着信アリ。桂木探偵事務所で酔っ払いに付き合い、背中におぶってマンションまでの流れは同じ。小さい頃の思い出話からかなり幼い頃から共に育てられたという感じに変更。ちなみに小次郎の源三郎の呼び方は「おやっさん」ではなく「桂木のオヤジ」。

・マンションでの弥生との会話で源三郎の死亡を知らされる。刑務所の放火に巻き込まれての獄死から、護送中のミニバンが自動小銃を持った武装集団に襲われたという設定に変更。炎上する車内に取り残されて死亡ということに。

・小次郎を前にして弥生が心情を吐露するというシーンの流れは同じだが、全般的な弥生の姿勢に大幅変更。父親の遺した事務所を守ろうという気概に限界が来たという感じではなく、父親も小次郎も居なくなった事務所を守る理由なんてそもそも無かったんだという感じ。「成り行きで事務所の所長になった」云々。
 
・ベッドシーンの直截な表現は流石になし。ただし小次郎の甘いセリフに注目。「この世でおれを縛れるものは、弥生の涙だけだ」。小次郎△。


 EVEのキモでもある弥生とのヨリを戻すシーンは基本ほとんど同じなので、細かい設定の変更は箇条書きの通りですね。ただし「おやっさん」が「桂木のオヤジ」となっているのが地味に大きな変更点。こういう部分を変えてくるのは印象的にも大きなものを感じさせるので、よほどの思惑があってのことだと思いたいのですが、単に変えてみただけというのも否定出来ないですね。うむむ。

 シーンは同じなのですが弥生の性格もかなり変わって来ているので、シーンから受ける印象も変わってきています。そもそも弥生の探偵としての力量自体にいきなり「探偵としてはダメダメ」というレッテルが貼られてしまっているPSP版弥生ですが、どうも彼女が源三郎亡き後の探偵事務所を維持している理由も変わってきているみたいですね。確かに不意の代替わりと不祥事の連続で意気消沈している弥生が愚痴をこぼす、小次郎の前でだけは弱音を吐くというのは同じなんですけど、それは本音であると同時に本音では無いとも思うんですよね。逆に言えば、あのシーンで弥生が呟く言葉は、今の弥生を一番楽に出来る言葉を誰あろう弥生自身が呟いて自分以外の誰かに肯定して欲しいという心情があると思ってます。

 本当は手放すことなんて弥生自身が一番したくないというのは弥生も小次郎もわかっているはず。ショックにショックが重なって、そこにかつての恋人だった小次郎がやって来たことで、つい漏れてしまった弱音と甘え。そんな言葉を小次郎に聞いて欲しいだけ、そんな姿を小次郎に見て欲しいだけ、うんうんって頷きながら頭をなでなでして欲しいだけ…そういう時間に身を委ねたかったんだろうなあと。例えばあそこで小次郎がやって来なかったら弥生は翌日には事務所を畳んだり、絶望に負けて自殺したりするような女性だったでしょうか?多分小次郎が来なくてもヤケ酒の二日酔いで頭をガンガンさせながら、所長室のデスクに座ることの出来る強い女性のはずですよ。本当に弱い女性だから手を差し伸べて欲しかった…というようなタマじゃないぞと(笑)

 原作でも「小次郎が居なければ…」的なセリフはあるように、多少のショックでつい揺らいだりはしたと思いますが、自分自身の力でやり遂げてみせるという気概が無くなってしまったとは到底思えません。多分、あの時「もし小次郎が横にいてくれたら、もし小次郎の言葉で立ち直れたら」という贅沢な選択肢が弥生には残っていたはずで、それを試してみたかったという想いは相当強かったと思います。この数ヶ月の小次郎と弥生のやり取りを冷静に見れば、ケンカ別れしたものの双方とも完全に切れたりは出来ずに、最後にはまたヨリを戻してまたケンカ別れして…という、なんて事はない、壮大なノロケという側面は大いにあると思いますので、そこまでの「超感動シーン!」という感じでは無いんですよねー、私的には。ぎゃーぎゃー騒いで、ぎゃーぎゃー泣いて、ふとしおらしい一面が見えて、裸シャツで思いっきり誘って、そして合体(※釣りバカ風)というそういう感じで(笑)

 それに比べるとPSP版での同シーンは弥生のぎゃーぎゃー感が薄くて、何か普通に苦労話をぽつぽつ呟いていますなという程度。「ああ、相当弥生もまいってるんだなー」という印象は同じですが、その先にある「後から思い出してみればただのノロケ」という、ほのぼのというかバカらしいというか勝手にやってなさいよというような、そういう微笑ましさに繋がる部分も弱くなっている気はしますね。弥生の設定、セリフ、18禁シーン描写に関わる流れの変更の中でその辺のインパクトにちょっと欠けたかな?というところでしょうか。

 また、「この世でおれを縛れるものは、弥生の涙だけだ」という、まゆタンみたいなカッコイイ言葉を呟いてくれる、このちょっとスマート過ぎるPSPの小次郎像も要因としては大きいですね。カッコイイのはカッコイイんですけど〜的な。この辺はラストまで遣ってみてまた触れてみたいポイントですね。

……

 またしてもかなりの長文になってしまいましたが、いよいよ物語も終盤付近。一体何処まで変わってしまうのか。注目していきたいですね。
posted by talk at 19:42| Comment(2) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小次郎の推理のところの
『アホか』
に吹きました。
俺は、『は?あ・・・そ、そう・・・』で感じでした。
Posted by akira at 2010年05月14日 23:52
>akira様

 このトンデモ推理をドヤ顔で披露する小次郎っていうのが最高にかっちょ悪いですよね。まりなのダメダメっぷりが相当ヒドイ分、ニヒル探偵にモデルチェンジした小次郎の失点はあまり目立たなかったのですが、この名推理は結構痛い失点でした。
Posted by talk(管理人) at 2010年05月18日 16:10
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]