2010年06月27日

PSP版burst記10

 またしても前回更新から間が空いてしまいました。おかしいなあ…6月はもう少し余裕があると思ってたんだけどなあ…とか考えてるともう月末ですよ。更新ペースも遅くなってしまって恐縮ですが、更新内容も今回はあんまり作品時間的に進まないので更に恐縮至極な内容になっております。

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 今回はburst errorの、そしてサイトチェンジシステムを採用したEVEという作品の代名詞的シーンでもあるハッキングシーンのみをレビュー。変更された設定が多いので今回の更新はそこの説明だけで一回使います。それくらい設定ががらりと変更され、そしてばっさりとカットされた設定の多いPSP版。特にエルディア政情絡みの設定はかなり変更されていますのでご注意あれ。

※ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読み下さい。


【12月7日 ハッキングシーン】

・まりな、甲野のIDと甲野の写真を使った顔認証をパスして専用基幹端末を閲覧。

・氷室は一度しか使えないワーム式セキュリティ破りウイルスソフトを使って総務省LANから進入。


 ハッキング技術に関しての描写は相当変更されているので省略。こんな感じでネットワークやハッキングに関しての技術的な記述は時代を反映して相当変化していますが、姿の見えない相手同士で協力し合って高次セキュリティを破る展開は原作と同じになります。

 PSP版氷室はアングラで違法スレスレのツールを喜々として駆使している感じがあり、任務の為に自身のスキルをやむなく使っていた呈の原作と違ってセキュリティを破ること自体に楽しみを見いだしているキャラとして描かれています。普段はボソボソと大人しく喋る氷室がこの時ばかりは口調の端々に沸き上がる興味を抑えきれないという風な描写が多いですね。それに伴い、原作では小次郎にけしかけられた感のある氷室も、PSP版ではむしろ小次郎をけしかけるような勢い。相当ノリノリのようです。

 まりなは原作とほぼ同じ印象。日常生活程度のパソコン知識はあるものの、こういうセキュリティ破りのような専門的な知識には今ひとつ乏しいみたいですね。プロテクトのかかったデータを閲覧しようとしているまりなに相乗りする感じで氷室がセキュリティ破りを開始しますので、結果的にはまりなは利用されている側になります。勿論まりなはまりなで見知らぬ相手が自分を利用してセキュリティを破ることが自分の利益にも繋がると判断してこれを黙認するわけですが、この「まりなが利用されている」状況描写に関して時折氷室からの解説が入りますので、そこに絡んで全般的にこういった技術的な描写が目立つ感じにはなってます。

 ちなみにこのシーンは小次郎、まりな共に自分のボイスが再生されますが杉田小次郎はやっぱ銀さんにしか聞こえませんね(笑)

……

 さて、ここからは高次セキュリティで保護されている人物や組織の紹介になります。大半が原作と異なりますが、ここでは特に原作との違いが大きいものを紹介していきます。

<孔雲樵>
 原作では父親が科学者だったが、今作では孔自身が生理学・薬学の専門家として自白剤等の作成に関与した科学者。


 原作のストールマン=孔。原作で父親であるドールマン=孔が担っていた科学者の設定がそのまま孔本人に変更されている感じですね。先の記事でも書きましたが、この設定変更と同時に彼自身の知識階級のリベラルな改革派という設定も割愛されています。親プリシア派だったりとか、父親であるドールマンを彼が殺害したとかというエルディア内部情勢を語る設定も同時に割愛されており、元々影が薄かったキャラが更に影の薄い脇役キャラになってしまいました。

 そもそも作品内では死体としてでしか登場していないキャラなので、こういう設定が変更されると相当印象が変わってしまいますね。わかりやすくては良いかもしれませんが、折角の深みあるキャラ設定も排除されてしまいましたので個人的には相当残念な変更です。

<先代エルディア国王>
 亡命先のアメリカから帰国〜即位付近に精神状態が極めて不安定となり、自分に反対する官僚や王位継承者を次々と弾圧・殺害するように。その際に御堂ら東洋人三幹部が手足となって動いた。


 前国王に関しては「死を間際にしてちょっとおかしくなった」程度でしか触れられていなかったディテール部分にPSP版では言及。先々代国王が共産主義革命で亡命を余儀なくされたというバックボーンが追加されましたので、前国王が亡命先のアメリカから母国エルディアに返り咲いた時には相当自分を追い出した連中を恨んでいたという理由付けが為されました。結局彼自身が即位した後も、誰かが以前の自分のように自分自身を追いつめるのではないかという恐怖と焦燥に支配されるようになり、それが他の王族・王位継承者を殺害するようになった…というのが主たる理由でしょうね。

 原作はこの前国王に関しては記述がまちまちで、アクア、御堂、プリシア、源三郎でそれぞれ前国王を語る言葉が違うのが実は相当面白い所でもあるんですよね。列強諸国に蚕食されない強さを求めた強硬姿勢の君主という一面も垣間見えますし、死期を悟って「永遠の君臨」に妄執を抱くようになった一面も垣間見えます。また、御堂やディーブばかりが悪役としてのイメージを持たれていますが、どうやらアクアやプリシアも権力闘争の裏では相当黒いこともやっていたようで、特にプリシアは前国王の殺害を示唆したという点では相当黒い物も感じさせてます。仕方がない状況であったのかもしれませんが、彼女もまた血塗られたエルディア王家の権力闘争に身を置いていたという設定ですね。

 ラスト付近でこの辺りがどう語られるのかは分かりませんが、恐らくこの辺の背景を感じさせるような描写に関してはPSP版はばっさりカット…というより、そういうのに触れることなく「小次郎とまりなの活躍を描く!」という作品に変えてきているんでしょう。

<ロイス=御堂>
 元は武器密売の貿易商で、後にエルディア国籍を取得。亡命中の先代国王と出会い、外人部隊としてアフリカや中近東方面で暗躍。王政復古後は政敵排除の司令塔として数々の暗殺や不当逮捕に携わった。C計画の中心人物の一人。


 原作ではロス=御堂。何と武器商人という、余りにもわかりやすいワルモノ設定がついてしまいました。burstに於いて御堂を単なる悪者にしちゃあいかんだろうと常々考えている私としては一番アチャーな変更ですが、やはり作品を分かりやすくするとなると御堂が最も影響を受けるんでしょう。個人的にはそういう悪臣・佞臣というよりは忠臣というイメージが強く、その忠誠心が故に前国王の狂気にも従い続けたという格好良さを感じるキャラでもあります。何故御堂がそこまでの忠誠心を前国王に抱いていたかという点に関しては不明のままですが、おそらくは前国王と共に「強いエルディア」を作り上げた所に彼の忠誠心の源泉があるのかもしれません。

 しかしそういう部分もばっさりカットのPSP版。武器商人で外人部隊って…何だか安っぽい人物になっちゃいましたね。プリシアに向かって「反逆者め」と真っ向否定するあの御堂の格好良さは変わってなければ良いんですが。

<公安局 / 治安維持特別部隊>
 先代国王直属の秘密警察で、政敵や対立組織の暗殺や破壊活動に従事。中心には王の腹心である東洋人幹部が据えられている。


 原作のエルディア情報部はどうやら秘密警察のような設定になっているようです。原作では特に情報部の「軍部」という点から後にロストやADAMに発展する設定もあるのですが、まあその辺も多分考えていないでしょう(笑)。ちなみにPSP版では何と「テラー」が出て来ませんので、現場に残された凶器が「エルディア軍採用の正式ナイフ」という設定も勿論ばっさり消えてます。

 というか「テラー」ってホントにこのまま出てこないの?burst errorの有名なアナグラムも無し??

<教育化学省>
 旧ソ連の薬理科学と西側のバイオ技術を融合されたクローン人造計画、C計画の立案・実行部署。非公式ながら日本政府からも多額の資金が投入されていた。先代国王の死後混乱の中で計画は放棄されるも、μ101の研究成果の存在が諜報員によって報告されている。


 原作ではドールマンが束ねていた旧科学局ですがこの名称に変更。ここでがっちり日本政府の介入の記述もされているのが大きなポイントで、原作ではこの研究成果を横取りしちゃえ的な思惑が入ってくるのですが、PSP版では多額の資金を投入したんだから回収出来るものは回収しないとね的な思惑になっているのかもしれませんね。

 また、C計画の立案がこの教育科学省になっていますが、原作ではC計画の立案者は源三郎になっています。細かいところなのでラスト付近の描写にはあまり関係無いのかもしれませんが、もしかしたら源三郎の立案じゃなくなっているのかも。だとするとそれも相当大きい変更ですね。どうなってるんでしょ。

……

 と、今回は設定の小さいところを突いてばかりの記事になってしまいましたが、作品の根幹部分での変更が多く見られるポイントでもあるので別枠で一回記事にしてみました。

 次回は12月7日、ハッキングシーン後の小次郎編とまりな編に触れていきますね。小次郎編は氷室と共に大使館侵入、まりな編は真弥子が滞在するホテルが襲撃されたりと終盤に向けて大きくシーンが動き出す展開。どのように変更されているのか見物ですね。あまり良い意味ではなくて、でアレなんですけども(笑)
posted by talk at 05:12| Comment(3) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
御堂の設定変更ですか。非常に残念ですね。
御堂の理知的な側面と狂気的な忠誠心のギャップが好きだったので。

「現実の可能性は問題ではない。王がそれを望まれたことが重要なのだ」

「意志だよ。大いなるね」

「あの御方は、彼のここでの処断をお望みです」

「国王を殺す気か!」

という盲信ともいえる忠誠セリフの数々が御堂の本質だと思っていただけに、武器商人という設定で利益に走る小物になったりしたら悲しいですよ。

プリシア「前国王は、少し精神に失調をきたしていました。完全な躁鬱状態だったようです」
アクア「御堂はそれでもなお、前国王の意志をまっとうしようとしているわ。大した忠臣ぶりだけど」

とかね。もう、忠臣・御堂ありきだったのに。

それから、前国王の忠臣と前国王の妾の子アクアとのロマンスとかね! 妄想してたのにね! 真弥子乙!って感じですね!(号泣)
御堂の忠誠の根源ですが、同じ東洋人幹部の源三郎も「エルディアは第二の故郷」的なことを語っている場面があったと思うので、やはり、「王とともに国を造り上げた」というところに起因するのでしょうね。

ドールマンも好きでした。「馬車馬のごとく働くマッドサイエンティスト」とか、最高だったのに(笑)
Posted by エル at 2010年06月27日 12:15
なんか、エルディアをとりまく闇・・・が薄れまくりなかんがありますよね。
バーストはドラマCDとかもいくつも出てますが・・・設定ばっさり感はいなめませんね。
Posted by akira at 2010年06月30日 19:36
>エル様

 ホントにね!アクアと御堂の馴れ初めとか妄想するのが楽しいのに、そういうのをばっさり切っちゃうんだもんなあ。武器商人だなんて小悪党が見たいわけじゃないのに。御堂の格好良さを理解していないと言わざるを得ません。

 ここが揺らぐとまりな編に於ける対立軸もぼやけてしまいますので、詰まるところ作品全体に影響を及ぼすことになるだろうと思うのですが…これに関しては流石に「わかりやすさ重視」というフォローがちと難しいですねい。

>akira様

 仰るとおり、ばっさりもばっさりですよね。確かにエルディア関係の話は設定的にも冗長で小難しい部分もありましたが、作品を外枠から固めていける、EVEに於いては数少ない貴重な設定部分なだけに、そこをばっさりと切ってしまうとそこから先の妄想とか想像の幅が狭まっちゃう気はするんですよね。

 このPSP版を最初にプレイされた御方は、我々がかつて盛り上がったように二次的なものを作ろうとかいう興味を刺激されたりしますかねえ?
Posted by talk(管理人) at 2010年07月03日 00:24
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