2011年05月10日

PSP版burst記15

 今回のレビューは小次郎編、ディーブのアジトに於ける一連のシーンですね。ディーブに捕まり、グレンの射殺や拷問された茜が登場したり…のシーン。原作と違って「まさか…!」の人物が小次郎たちを助けに登場するという、PSP版ならではの驚愕の展開にご注目下さい。

110510_01.jpg

 ちなみにこの後に茜と共に源三郎に救出され、夜の埠頭で師弟が再会して事件の核心部分について話し合うシーンが続きますが、そこでの会話では原作と比べてもかなり詳細に各方面に言及されますので別枠で一回レビューを取ることにしています。

※ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読み下さい。


【小次郎編 12月8日_ディーブに拉致られてから】

・ディーブとの会話の流れはほぼ同じだが、原作にはないネルの最期のシーンが描写される。ディーブの横に侍っているのはシルヴィとサラの二人で、原作と違ってシリアはこの場にいない。PSP版シリアがディーブ配下のダブルスパイとして活動していないため。

 基本的にディーブに捕まってからの流れはほとんど同じなのですが、やはり大きな変更点の一つはシリアがディーブ配下じゃないという点ですね。原作ではシリアが絶体絶命の状況下で拘束縄を弛めたりしてくれますし、これより前にはシリア介抱シーンもあることなどから、この時点でのシリアはキーマンとしてかなり注目されることになります。

110510_02.jpg

 一方のまりな編でも序盤からシリアとの対決シーンが多く、「テラー」=シリアを意識させるような展開もありますが、かと思えばこの後のトリスタン船内ではプリシア配下の「影」としてまたまた登場したりと、とにかく設定とその都度のポジションがかなり複雑に設定されているシリア。やはりディーブ配下のダブルスパイという設定がその複雑さに拍車をかけていると思われたのか、PSP版では一貫して「源三郎の部下」として描かれてわかりやすく変更されています。その方が親子の情愛という点からも筋が一本通って理解しやすいのかもしれません。また、PSP版オリジナルの「源三郎編」でもシリアにスポットが当たりますので、その辺も含めてのキャラ設定の変更かと思われます。

 ちなみにディーブ配下の美女二人・サラとシルヴィはPSP版でも変わらず健在。しかしサラの方はわかりやすい名前なので特に問題はないのですが、もう一人はリメイクのたびにシンディだったりシルディだったりシルヴィだったりと表記が一貫しておりません。ま、大体同じなので良いんですけど(笑)

・御堂との対立構造や自身の思惑をディーブが喋る。御堂が宝剣を使って真弥子(※この時ディーブは”あの御方”と表現)を王位に就ければ自分は始末されてしまうのは確実。ならば自分は自分で宝剣を集めてプリシアを擁立するという目論見。ちなみに「他の王位継承権を持つ者たち」はディーブが始末したとのこと。

 原作との設定の違いは色々ありますが、とりあえず王位継承争いに於ける御堂とディーブの対立構図は変わっていません。そして御堂の方が義理の娘である真弥子を擁している時点でかなり有利なのも原作と変わらず。何せ前国王の仮の姿を保護する役を任されているわけですから、信頼の点に於いて御堂>>>>>>>>>>>(越えられない壁)>>>>>>>>ディーブなのは決定的でしょう。PSP版では局長と副局長といった原作の上下関係が排除されていますので、ディーブが感じる焦りと現時点での両者の差がより鮮明になっている印象がありますね。

 状況からして、そして何より前国王の性格からして真弥子即位後に自分が生き残れる可能性はほとんどゼロに近いことに気付いたディーブは、エルディア王位継承の奇妙なしきたりを利用して逆転トライを決めようと動き出します。原作でもディーブはプリシア、アクアらと何らかの協定を結んでいたかのような思惑が透けて見えていましたが、PSP版でここではっきり「プリシアを利用する」と宣言しています。原作と違ってアクアは既に殺害されていますし、何よりPSP版ではこの後の展開でディーブが担う役割がまだ残されていたりもするので、その辺も含めて少し分かりやすい悪党キャラにマイナーチェンジされているようです。

・グレン射殺、茜登場、自白剤(というか麻薬)を注射される辺りの件りはほぼ同じ。

 グレンのキャラデザがかなりスマートに変更されているのに伴い、その言動もかなりスマートに変更されてもいますが、細部の違いはあれど流れはほぼ同じなので割愛。強いて違いを挙げるならばシリアがいない分のやり取りの差くらいでしょうか。

・いよいよヤバイという時に現れたのは…何と弥生!!???

 恐らく原作→PSP版で変更された数あるストーリーやシーン、キャラ設定の中で群を抜いてユーザーに衝撃を与える変更点がコレ。何とディーブのアジトに弥生が突撃!というトンデモ展開が繰り広げられます。これを見たときの私の表情はこんな感じ。

110510_03.jpg

 中にはぽかーーんとした御方や、耐えきれずに笑ってしまった御方もいらっしゃると思いますが、まあそれくらいの衝撃展開なのは言うまでもありません。原作もPSP版も、小次郎の手によって逃がされたプリシアが弥生を頼り、その身柄を桂木探偵事務所が保護します。原作ではこの時の弥生がプリシアを警察のもとに送り届けようとするシーンがまりな編で見られますが、諸々の事情を鑑みるにプリシアは小次郎の窮地に関してはあまり大きく騒ぎ立てていないような感じですね。エルディアの内情を知られるのを避けているのか、弥生にあまり事情を知らせないようにという小次郎の意図を汲んだのか、単純にそこまで小次郎がピンチに陥ってはいないだろうと思っているのか…理由としてはそのどれも、というところだとは思いますが。

 対してPSP版の方はその後の対応を見てもちょっとドタバタしている感じで、その辺もこの弥生の唐突な登場に繋がっているような印象は受けます。原作ではこの時既に時期国王候補として様々な思惑を抱えながら行動を開始しているプリシアですが、PSP版では王位を継承する決意をしたとは言え、つい前日まではワガママに振る舞っていた普通の少女でもあったプリシア。伊吹や弥生も一緒になって慌てているというのも無理からぬ話ではありますが、それにしても弥生が単身乗り込むというのは随分思い切った変更をしてきたもんです。

・伊吹に連絡すればすぐにここを包囲出来るんだぞ!日本の警察を甘くみるなよ!と大きくでたものの、会話の中で「伊吹刑事に大体の事情は聞いた」、「彼女の話は本当だったんだ」という、言わんでも良いことを喋ってしまい、「プリシアを伊吹という所轄刑事が保護している」ということを相手に知らせてしまった弥生。結局颯爽と現れたにも関わらず、すぐにディーブに捕まって、茜だけでなく弥生もピンチに。

 どうもPSP版では弥生というキャラの可愛らしさを付加するのに「ドジっこ」という設定を持ち出してきたようでして、クールで知的な大人の女性というイメージのある原作弥生を完全にぶち壊しにかかって来ています。もう一人のヒロイン・氷室の極端なモデルチェンジが目立ってはいますが、弥生は弥生で相当ヒドイ変更を加えられているというのも見逃せません。弥生に関しては小次郎、まりな、源三郎がそれぞれの想いや過去を抱きながら、弥生のことを大事に想っているというのはよくわかりますが、その辺の「放ってはおけない」という気持ちをより強調するためのドジっこモデルチェンジということなんでしょうか。

110510_04.jpg

ただ、ドジっこだけならまだ良かったんですけど、「探偵としてはかなりイマイチ」という設定までついてきたのが可哀想なポイント。探偵という職業は警察のように法律で善悪を判断して事にあたるというわけにはいきません。人を欺いたり騙したりということは日常茶飯事で、知識や良識よりもハッタリやブラフを駆使するための狡賢さとか度胸というのが物を言う世界だと思うのですが、人が良くて真面目な弥生にはどうもその辺りが不向きなのではないかという描写が多々見受けられます。ただしこれは原作の弥生にも共通している人物評ですので、やっぱり小次郎や源三郎に比べるとその辺りではどうしても見劣りはしていたようです。しかし原作ではそれでもなお、父の遺した探偵事務所を維持するために健気にも頑張る弥生の姿もちゃんと描かれてまして、ヤクザの事務所に単身乗り込んだりとか、身体を要求された時にはキレて股間を蹴り付けたりだとかといった点に触れる描写もありました。一方、ゲーム序盤ではかつて小次郎と推理のしあいをして楽しんだこともあったという描写や、渡米時にFBIへの就職を希望していたりという描写もあったりして、頭脳の点に於いては相当優秀であったことを感じさせてもいます。

 以上の点から、弥生の探偵としての評価は「小次郎や源三郎のような天才肌の傑出タイプではないものの、相当優秀な探偵」という辺りで皆様もファイナルアンサーして戴けるかと思いますが、個人的にはそこからもう少し進んで、二人の天才肌探偵が行動しやすいような環境を主に事務的な面から整えてきた実績がある点と、おそらく小次郎や源三郎があまり弥生を危険な目に遭わせるような案件をさせていないのではないかという印象がありますので、「二人を支える優秀な事務型探偵」という印象があります。

 前線でバリバリ活躍して華々しい実績を挙げる小次郎と源三郎のために必要な書類を整えたり、法的な環境を整えたり、クライアントとの折衝や交渉も担当したりしてきたのかなーというイメージ。源三郎と小次郎がいなくなった後、知識面に偏りがあった二階堂をエースに据えていたという点も、他に人材が居なかったという事情などを考慮したとしても、弥生が中心に据えている「探偵としてこうあるべき姿」に二階堂が合致していたのではないかと考えています。いわゆる「好み」というんですかね。二階堂もその辺を理解しているからこそ言い寄ったりもしていたわけですし。ま、中には、ドラマCDや皆様の二次小説の中で「かつて小次郎とパパとの三人で銃撃戦をかいくぐったこともあった」というような膨らませ方もされているようですが、個人的な弥生像からはちょっと無理のある膨らませ方かなと思ってます。

 そんなわけで後先考えずに敵のアジトに突っ込むわ、ペラペラ喋ってボロを出すわ、挙げ句余計な情報を出してしまって小次郎の生命を危険に晒すわというPSP版弥生の哀しいまでの残念な探偵ぶりには、ここまで来ると何か別の意図があるのではないかと勘繰りたくもなるレベル。図らずも今回は義妹であるシリアと画像が重なったりもしましたが、これではおねえちゃんの威厳もあったもんじゃねえな!なポンコツぶりに世の弥生ファンはどれほど涙を流したことでしょう…南無阿弥陀仏。

……

 ここでまりなサイドへのサイトチェンジ箇所になりますので多少中途半端ですが今回のレビューはここで一区切り。次回は同日まりな編のディーブアジト突入後からをレビュー。まりなと源三郎が結ばれるというEVE的にもかなり重要な意味合いを持つシーンでもありますので、今回の弥生のような凶悪な変更がなされていないことを祈るばかりです。
posted by talk at 02:06| Comment(5) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
涙を流した一人ですw
「桂木探偵事務所」の看板背負ってるはずなんですけどね…。
なんでこうなったと問いたい。
そしてもうここまできたなら「LOST ONE」出してくれと。
(SNAKEやらどうなるのか見てみたいw)
Posted by 棗 弥生 at 2011年05月10日 09:31
エネルに大爆笑www

俺も同じような顔になり、このシナリオ作った人を呆れさせるシーンでした。
Posted by akira at 2011年05月10日 12:32
毎回レビュー楽しみにしています
今回の感想は

はぁ?ですね

突っ込みどころ満載すぎて
もうなにがなんやらです


Posted by 曹長です at 2011年05月10日 20:30
弥生無惨すぎる・・・・
ドジっ子属性って・・・
銭形のとっつぁんクラスじゃないですか、それ。

「LOST ONE」がもし作られたら、杏子は切れ者になるもんでしょうか?
PCもバリバリで・・・雄二の出番が無くなる・・・・
Posted by にゃんぞー at 2011年05月11日 16:31
>弥生様

 心中お察し致しますですよ、ホント。氷室好きの受けた衝撃も弥生好きが受けた衝撃もどちらもメガトン級ですが、この後客船内で謎の水色着物姿の弥生を見せられた時が最終的な追い打ちになりました。何故に着物…

>もうここまできたなら「LOST ONE」出してくれと

 ラストではなにやら勝手に謎めいた引っ張りまで追加してましたから、もし出るとしたらこれはもうburstなんか比じゃないくらいのスゴイことになるんじゃないでしょうか。でもロストに関しては大元の評判があまり芳しくありませんから、大ナタ振るっていじり倒すというのはそれはそれでアリかも…なんて思う今日この頃。

>akira様

 原作経験者で今回のこの弥生を「アリ」と思えた御方はいらっしゃるのかしら、というくらいのマイナス変身ですからね。でも弥生は何も悪くないんだ…時代が彼女を不幸にしたんだ…

>曹長様

 とりあえず何故ここで弥生を登場させたのかをシナリオさんに問い質したいですね。色々聞いてみたいことの多いPSP版ですけど、やはりここがダントツで問い質したい度ナンバーワンです(笑)

>にゃんぞー様

弥生:クールで知的 → ドジっこ
氷室:三十路越え → ロリ

 むむむ…確かにこれで変更と言うより「反転」ですもんね。ということは法則的には、

杏子:ドジっこ → クールで知的

 になるというのも頷けます。どうせならおおきいおっぱいも小さくしちゃえば良いんじゃね?完全に別キャラですけど(笑)

 ちなみに雄二くんはチャラ男にすると楽しそうかもー。「オレっちのマシンでぇ〜、ぱっぱっぱ〜とハッキングしちゃいますんでぇ〜、マジ感謝モンなんでぇ〜」とか「杏子はぁ〜、オレっちのことガキに思ってると思うけどぉ〜、オレ、男見せるんでぇ〜、マジ、頼ってくれよって言うかぁ〜」とか想像すると…

 あ、ちょっと楽しいかも(笑)
Posted by talk(管理人) at 2011年05月12日 12:40
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]