2011年08月03日

PSP版burst記17

 今回は小次郎編、12月8日の後半部分をレビュー。ディーブに拉致されて窮地に陥った小次郎でしたが、それを助けてくれたのは何と死んだと思われていた源三郎でした。小次郎の師匠でもあるこの源三郎がなぜ今になって姿を現したのか。なぜ死を装って身を隠してまで暗躍する必要があったのか。そしてこの血生臭い王位継承事件について、源三郎は何を知っているのか。夜の埠頭で久しぶりに対面した師弟の会話が今回レビューの中心になります。

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 展開そのものは原作と全く同じなのですが、そこで触れられる内容がかなり変更されていますので、今回は敢えてこれだけで一回取ってそこにいちいち触れながらレビューすることに致します。動きの全くない、しかもバックボーン設定だらけの文章なのでかなり辟易されると思いますが、なにぶんここまで来たらスルーするわけにも参りませんので何卒ご容赦の上でお付き合いをお願い致します。

※ネタバレ注意!苦手な御方は注意してお読み下さい。


【小次郎編 12月8日_ディーブのアジト脱出】

・サイトチェンジ解除後は、まりならの突撃時に暗闇で狼狽するディーブたちの姿から。

・混乱の中でシリアが小次郎の拘束をほどく。原作のようなダブルスパイでは無いので展開の違いあり。この時点でのシリアはディーブや御堂らとはまた別の目的を持った工作員、という感じ。シリアからグロッグを受け取り弥生と共に倉庫から脱出。


 12月8日のレビュー内でも再三触れていますが、とにかくシリアのダブルスパイ設定が無くなっていることによる変更は随所でかなり目立ちますので、ここまで来るとほぼ別キャラと言っても差し支えないかもしれません。代名詞でもあった「爆乳」に関しても105cm→95cmと10cmもダウン。勿論常の人よりは遙かに大きいわけですが二次元的数字で言えば割と普通。それに関連するやり取りもコマンド選択式の撤廃と共に省かれ、普通の巨乳ちゃん程度に落ち着いてしまいました。そういう意味でもほぼ別キャラですね(笑)

・倉庫からの危機は脱するも、射たれた麻薬が回りかける小次郎。弥生には速く人のいるところまで助けを求めにいけと話して行かせる。

 もう一つ原作と大きく異なっているのがこのポンコツ探偵の存在ですが、ま、とにもかくにも弥生は何とか無事に戻ることが出来たみたいです。結局この残念なおねいちゃんはこの場に何をしに来たのでしょうか…

・残して来た茜を助けるために再び倉庫内に。だがそこにはシルヴィが待ちかまえており、薬の所為でフラフラする小次郎は結局シルヴィに捕まってしまう。

・目を覚ますと茜と共に車内に。サラから「後でディーブ局長もそっちにいくから」とのセリフ。局長の死を匂わすセリフは原作と違って純粋な部下ではない感じ。


 原作と比べればサラ&シルヴィにかなりスポットが当てられているPSP版。特にサラは上司であるディーブの死について平然と語るあたり、何やら彼女たちの思惑はディーブとはまた違ったところにありそうな感じがします。実はこの人、クリア後に意味深なセリフを呟いたりともうちょっと見せ場に恵まれるわけですが、何というかそのポジションがすんげーステレオタイプな「彼は失敗しました…しかしご心配なく。我々の計画は順調です。」といったセリフなので、これはむしろ笑わせに来ているのではないか?と勘繰っちゃうほど。

 クリア後、「アレ?EVEってそんな作品だったっけ…?」的な乾いた半笑いが浮かぶことうけあいの、粋な追加シーンと言えるかもしれないし、言えないかもしれない…そんな余韻に浸れます。

・車内から救出後、夜の埠頭で源三郎と会話。源三郎からの事情説明と死んだと嘘を吐いて暗躍していたことに関してを小次郎に話し出す。原作と違ってこの時点でかなりのディテールに言及するのがPSP版の特徴。

 さて、ここからは夜の埠頭に於ける源三郎との会話シーンで判明する、ストーリーのバックボーン部分の解説になります。変更された箇所が多く、文章も相当長めになりますのでそれなりにお心構えしてお読み下さい。

<護送車襲撃に関して>

・当初、源三郎の予定ではテロリストを装った仲間が脱出の手助けをしてくれる手筈だったが、ディーブ or 御堂配下の襲撃を受けたために予定外の事態が起きたとのこと。しかし身代わりの男とすり替わることには成功したので、襲撃犯から一時的に行方を眩ますという目的は達成された。この時死体を鑑定するためのDNAや指紋データの改竄には源三郎の同志である本物の孔が関わっていたと説明。


 源三郎の死亡事故が「刑務所火災に巻き込まれる」から「テロリストによる護送車の襲撃」に変更されていますのでまずはそれに関しての説明。しかしこのシーンが本編内で展開されるわけではありませんから、事故の内容が変わっているだけでそれ以外の流れというのはそれほど原作と異なっているわけでもありません。

 特徴的なのは孔に科学者設定が追加されていることによる、彼からの科学的なサポートがなされたという描写の追加ですかね。原作では父親であるドールマン=孔との対立構図なんかも見えていましたが、PSP版では皮肉にもその父親と同一視されてのキャラチェンジとなりました。これによって原作では知識的穏健派とされていたストールマン=孔が胸の内に秘めていた「父親への復讐」というドス黒いエッセンスがカットされてしまい、ただでさえ脇役だった彼がよりいっそう脇役に徹底されてしまったような印象を受けます。「エルディア政権内の、血で血を洗う権力闘争」という構図こそ同じですが、そこにまつわるエピソードをPSP版はかなりカットしていますので、受ける印象もかなり違ってきているという所作の一つ、というところでしょうか。

<青の宝剣と緑の宝剣>

・プリシアを匿っていたのは源三郎。緑の宝剣を意味深な四行詩と共にV.S船内に隠したのも源三郎で、青の宝剣をディーブから盗んで鰹節と共に孔に託したのも源三郎。

・青の宝剣と緑の宝剣は別名「錠前」と「鍵」。C計画に於いて真弥子の即位を阻止するため宝剣をエルディア宝物庫から盗み出したものの、V.S号で日本に向かう船内にも源三郎を狙う追っ手が迫ってきていた。そこで「錠前」たる青の宝剣を「剣」と「宝石」に分解して航空便で孔に送り、「鍵」の緑の宝剣は船内に隠してきた。しかし孔は宝剣のそれぞれを受け取る前にディーブに殺され、孔を騙ったディーブが宝剣探しを依頼してきた…という流れ。


 これも原作に於ける「シルクスクリーン原版玉璽」が「二振りの対の宝剣」に変更されていることへの説明。モノこそ違えど源三郎が孔に託し、その孔はディーブに殺害され、そして孔を騙ったディーブに小次郎や弥生が利用されてしまうという流れは原作と同じですね。勿論ここで問題になるのがこの「青と緑の二振りの宝剣」で、何やら「錠前」と「鍵」なんて設定が付加されていますが、これに関しては終盤に見せ場が訪れますのでその辺でまた触れることに致します。

 burst error内では”刃物による連続殺人事件”が起きるわけですが、原作ではこれがエルディア軍正式採用ナイフであることが判明し、それが使用されることによって姿の見えない暗殺者テラーの存在が焦点になります。後にそれが一人の人間ではなく特殊部隊のコードネームであることがわかり、このナイフを使用することで捜査のミスリードを狙った攪乱であることまで判明します。

 この後に触れますが、PSP版ではまずこの連続殺人犯を「飛刀(フライング・ダガー)」という一人の独立したキャラとして登場させており、捜査のミスリードうんぬんの部分はカットされています。そして原作で「エルディア国内であれば誰でも入手できる」という説明のあったナイフは「王位継承に必要な宝剣」という特別なアイテムに昇格し、刃物そのものにストーリー的に強い意味合いを持たせる内容に変更されています。

 刃物そのものに強い意味合いが付加されるのはまだ良いのですが、終盤で展開されるその内容がちょっと…というモノだったりするので、個人的には原作の「ありふれたナイフで捜査を攪乱する」という内容の方が読み物的には上かなという印象。また、PSP版では宝剣の隠し場所を示すのに意味深な四行詩の件なども追加していますが、それが大仰に過ぎる印象もあったりするので、こう言ってはなんですが折角色々付加された設定も何だかちゃちい印象を与えてしまっただけのような気はするんですけどー。それにしてもそこまでご大層な設定が付いた宝剣と宝玉なのに、隠し場所が鰹節というのはやはりどうかと思うのですが(笑)

<アクアと青海慎吾>

・プリシア以外の王位継承資格者…アクアと青海慎吾らはディーブらの手で始末された。ちなみにアクアは先代国王の父の子=前国王の腹違いの妹。青海慎吾は前国王の隠し子と血縁について説明。


 原作ではあまり言及の無かった、プリシアと真弥子以外の血縁者に関しての説明。原作のアクアは妾腹とは言え先代国王の血を引いた娘であり、姪であるプリシアよりは王位に近い存在だったとも言えるわけですが、彼女は自らの理念と政治思想から王位に就くことを拒否して首相という立場でエルディアという国を牽引することを選びます。

 原作ではプリシアとの間で、議院内閣制への移行期はプリシアに国王としてこの内閣の承認を行って貰いつつ後への道筋をつける…という合意が為されていましたが、PSP版ではこういったエルディアの複雑な国内政治事情への言及はカットされており、それに伴ってアクアも「王になることでセレブになれるんだワ♪」などとベッドの中で得意げに漏らすという随分軽薄なコールガールもどきに変更されてしまいました。この結果「エルディアの王になること」がどういうことかという部分を想像させる余地がPSP版では随分薄くなってしまったわけですが、作品のわかりやすさを取った、ということなんでしょうかね。おかげでアクアと御堂が随分割を食っているような気はするのですが、この二人の秘められたロマンスを妄想して来た私としては非常に残念であります。

 一方の青海慎吾は完全な新キャラ。詳しくはクリア後の二階堂編で触れられますのでまたその時にレビューすることにしましょう。

・これらを殺害した下手人はディーブ配下の殺し屋。後にコレが「飛刀(フライング・ダガー)」という名前の殺し屋であることが判明し、クリア後の源三郎編で詳細が語られる。また、既にこの時点で「飛刀」は源三郎の手で殺されており、物語序盤付近で伊吹が見つけた倉庫街のゴミ箱の死体というのがこれにあたる。

 原作に於ける「テラー」の代替案は、一人の暗殺者「飛刀(フライング・ダガー)」として変更されることになりました。「飛刀」に関してはそのほとんどが源三郎編で語られますのでその時にもまたレビュー致しますが、この源三郎の元部下であった暗殺者を源三郎自身が殺害することによって、源三郎が果たそうとした自分自身の過去への決着と贖罪という部分を非常に端的に象徴するシーンとなっています。しかし同時に架空の暗殺者の名前として使われるような暗殺部隊「テラー」の長が、まりなの愛する源三郎であったという終盤のあのシーンの衝撃がまさしく激減してしまったのも事実。

 その辺の源三郎の心情をPSP版ではクリア後の源三郎編で補足するようなカタチにはなっていますが、その「飛刀」という人物に関してのシーンがあまりにもあっさりと終わってしまうのでかなり肩透かしな印象は拭えずかなり残念でした。詳しくは源三郎編のところで触れて参りましょう。

<王位継承の条件>

・ディーブらの殺害によってプリシア以外の有資格者は居なくなり、残りは御堂の養女(=真弥子)だけになったと語る。しかしこの時点では御堂の娘が真弥子であると小次郎は気付いていない。

・戴冠に必要な13の文言に関しては真弥子は知っているが、プリシアはまだ知らないとのこと。ようやく源三郎もそれらを他の部族長から聞き出して判明したので、そのメモをプリシアに渡して欲しいと頼まれる。


 というわけで上記の結果こうなりましたよーという状況説明のような部分ですね。13の文言に関してはこの後に凄く重要な意味を持つようなシーンもありませんので、まあ設定上の都合というくらいで捉えて戴いて構わないかと。

<東洋人三幹部について>

・弥生や小次郎には隠していた源三郎とエルディアの関わりについても語る。源三郎は傭兵時代、前国王の亡命先でもあったアメリカでスカウトされたらしい。前国王のカリスマと熱意に魅せられてこれに従う。御堂はこれより少し前に、ディーブはその後に同じような経緯で配下に加わったらしい。


 原作では情報部の東洋人三幹部については「優秀な人材確保の為、外国人にも門戸を開放していた」としています。自前の捜査機関や国防機関の中からだけでは優秀な駒を揃えることは出来ないと踏んでの判断でしょうし、そうした、ある意味では活気に溢れていたエルディアの空気に惹かれた者の一人が当時の源三郎でもありました。こうして原作の源三郎は、多少語弊はありますが、自身の力量をいかんなく発揮できる場所に恵まれた喜びを感じる傭兵のような経緯でエルディアと関わっていたような説明がされていましたが、PSP版では御堂やディーブにも同じような説明がされています。まあ、そもそも原作では「傭兵」という説明はされていませんでしたけど。

 これに対し原作の御堂は、確定するような記述こそありませんでしたが、源三郎やディーブのような外様幹部とは異なり生粋のエルディア忠臣という想像を私はしております。後にTFAではロス=御堂はエルディア建国時に携わっていた東洋人の二世・三世であると説明されていますし、原作で見せた彼の狂信的とも言える先代国王への忠誠心をイメージする上ではこの設定が違和感がないとは思うんですけどね。

 というわけで勝手なイメージではありますが、原作の三幹部は、

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御堂 (旧情報部局長 → 駐日エルディア大使)

 エルディア建国時に功のあった東洋人の二世か三世でエルディアという国家への忠誠心は筋金入り。故に前国王からの信任も厚く、生粋のエルディア人ではないものの、その実力と忠誠を買われて情報部の局長を任されている。

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源三郎 (旧情報部・実行部隊「テラー」隊長 → 日本の私立探偵)

 各国を渡り歩く中、混乱続く中東の弱小国家であったエルディアでの仕事に就く。傭兵というよりはフリーランスのスパイ的な身分か。自身の能力を組織を通して存分に発揮できる環境に恵まれてやる気は満々。現地妻も出来て愛着も湧いてきたが、国王と国家が理想とは違った形に辿り着こうとすることに疑問も抱いていた。


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ディーブ (旧情報部次長 → 在野?)

 麻薬や武器密売といった非合法ビジネスを主にする「闇の商人的」な人物。他二人のようにエルディアへ忠誠や愛着はなく、あくまで利益のあがるビジネスとして東洋人幹部に名を連ねる。サラ&シルディのような純粋なエルディア軍人ではない自前の部下を数人持っており、常に危険人物扱いをされていた。

 という感じですね。エルディアが一国家として自立しようとしていた活気に溢れていた頃はそれぞれをどう思っていたのか。そしてそれが綻び始めた時に三人は何を思い始めていたのか…それぞれにかなりのドラマがあるんじゃねー?とロマンを爆発させることの出来る下地があると思うのですが、それを一括りに「傭兵」って言い切っちゃうのは、何というか個人的には勿体ないですね。今でも機会があったらジェンダーチェンジ企画でそれぞれを女性にして壮大な愛憎劇を書いてやれと思ってるくらいには愛着のある設定なんですけど(笑)

・そうしてエルディアに返り咲いた前国王の下、源三郎は公安局の実行部隊を任されてエルディア国家の為に働いていた。それを眩ますために日本で探偵業を営んでいたが、こっちはこっちで繁盛してしまったので日本とエルディアでの二重生活を送るようになった。「小次郎の一家と家族ぐるみで付き合うようになった」と言及あり。小次郎は「うちはオヤジがいないようなものだったけどな」のセリフ。

 後にZEROで小次郎と源三郎の出会いについては設定が後付けされることになりますが、原作burst errorの中では「ある日突然源三郎が見所のある青年を連れてきた」くらいの描写があった程度でして、少なくとも「家族ぐるみ」という状況を想像させるような描写はありませんでした。というより原作burst errorの小次郎は孤児出身ではないかとイメージさせるくらい考え方が偏屈でドライでもあり、そこがまた小次郎の強さを感じさせる魅力でもあったわけですが、ZEROの「科学者の息子で家庭的な愛情に飢えていた」という後付け設定がその魅力を掻き消してしまったりもして、当時のこの設定付加にはかなりがっかりした記憶があります。

 PSP版ではどこまでこの後のことを考えての結果かはわかりませんが、印象としてはこの二つの中間という感じですね。「父親なんて居ないようなもの」とあっさり述懐する小次郎の口ぶりからは、例えば小次郎の父親が何らかの犯罪に関与しており、その事件に源三郎が関わったことがこの師弟の出会いの最初なのではないか…的な設定を想像させます。さて、この予想が当たっているかどうか。確認出来るような続編があるかどうかはわかりませんが〜。

<C計画について> 

・日本の政治家とバイオ企業がクローン研究の海外拠点を作りたがっているのを知り、源三郎はエルディア科学省との合同プロジェクト…即ちC計画を提案。日本政府や企業から莫大な資金投入があったとのこと。

・世間の目が厳しい大国では出来ない、小国ならではの環境下でクローン研究は行われた。最初は国家のための信じて疑わなかった源三郎だが、次第にこの研究に恐怖を抱くようにになる。前国王はこの時から自身の王座を狙う者に対して異常に神経質になっており、ついには精神に異常を来すようになった。忠臣や側近もその例外からは漏れず、自身もいずれ消されてしまうと恐怖した源三郎は任務途中に死亡したと見せかけてエルディアから逃亡。日本での第二の人生を送るようになった。


 原作では「C計画の発案者は源三郎」程度にしか触れられていなかったディテールに大幅言及。なぜ中東の弱小国家であったエルディアがこのような大それた、そして大がかりな計画に手を染めるようになったのかについて、かなり合点のいく設定を付加してくれたという印象です。ここまで数々のびっくり仰天変更点で原作経験者を振り回し続けてくれたPSP版ですが、多分この部分が唯一、原作の雰囲気を殺さない範囲で自然に後付け設定することに成功した箇所でしょう。

 ZEROやTFAでは陸幕の存在や利権に絡んでくる大物政治家の存在をほのめかすような記述が色々と後付けされましたが、そういったシリーズ作品全体に漂わせようとして来た「国家の思惑が絡んでくる」という緊迫した舞台設定、そしてこの後に触れる違法献金事件の件までもカバーしてくれており、故大沢親分のように「あっぱれ!」マークを貼ってあげたいほどの綺麗な追加設定だと思います。

 ま、ということはこれ以外はほとんど張本よろしく「喝!」マークの連発ということになるわけですが(笑)

・日本での探偵稼業も軌道に乗り、小次郎や弥生にも恵まれ、前国王が死亡したとの報を受けた源三郎は安堵したが、そこに元部下だった娘のシリアが訪ねてきて、C計画の研究成果についての報告を受ける。かつて自身が計画し、前国王の死亡と共に頓挫したと思われていたC計画だが、御堂とディーブが計画を主導して推し進めていたらしい。御堂やディーブは源三郎が作り上げた資金ルートをマフィアらと結託しつつ維持し、計画を密かに進めていた。

 そして今回の件に繋がる部分の説明。シリアについては原作で確定するような記述がなかったことへの補足という感じですね。御堂とディーブがC計画の資金ルートをマフィアらと結託して続行させたという説明は、原作にはなかった両者の「傭兵」という設定を汲んでの補足というところでしょうか。前国王の信奉者であった御堂が旧情報部を使って秘密裏に推し進めてきたという原作の設定とは微妙に雰囲気が異なっていますね。

<源三郎の違法献金事件>

・自身の遺した過去に決別するため、研究の妨害とデータの抹消の為に再び源三郎が動き出す。研究施設を破壊してデータの抹消には成功したものの、その為に御堂やディーブらに生きていたことが知られてしまった。そして源三郎を殺害するために殺し屋らを派遣してきたため、代議士への違法献金事件を利用して拘置所に収監されて身の安全を図った。ちなみに源三郎が献金していた代議士はC計画の出資者の一人。事件を明るみにして自分の身を守るために収監されると同時に、C計画への資金ルートを断つ目的もあった。


 小次郎が桂木探偵事務所を去ることにもなった「源三郎を警察に突き出した事件」についての補足。C計画に日本の政治家が絡んでいたという説明を受け、源三郎との繋がりの説明もごく自然に受け容れられますね。ADAMやTFAでは安藤のような「旧情報部時代の東洋人繋がり」という設定が付加されましたが、こちらの代議士はおそらく証拠を掴んでいる源三郎が、いざとなったらスケープゴートにしたり助けを求めたりという感じで何らかの形で利用するための保険という感じなんでしょう。

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・茜と共に事務所に。麻薬の禁断症状対策で柱に縛り付けて貰う展開は同じ。
・麻薬の禁断症状に襲われる小次郎。流れはほぼ同じだが、原作と違ってアクアとネルがここに参加。
・暴れる小次郎を茜が優しく受け止め、この日は終了。


 この日のラストは麻薬の禁断症状シーン。同時に茜との18禁シーンでもありますが、原作のような肌を重ねる展開は無いので茜の肌の温もりの中で安堵するという展開になっています。ほぼ流れは同じですし、あんまりユーザーに好かれていない茜に触れても面白くないので割愛(笑)

 ちなみに禁断症状の中では、小次郎の妄想の中で殺害された人物が小次郎に対して色々と恨みやネガティブなセリフを投げかけるような描写が続くわけですが、ゲーム開始直後に殺されたアクアやPSP版追加キャラであるネルが「小次郎は大好きなプリシア様を独り占めにしたかったから、邪魔者のネルを見殺しにしたのです!」と語ってくれます。

……

 非常に長くなってしまいましたが、源三郎から語られるC計画のバックボーンはこんな感じで説明終了。原作では触れてこなかった部分への補足にかなり時間を割いてしまいましたが、逆に言えばそれだけ原作ではディテールに触れてこなかった部分でもあるわけで、ロスト以降の続編ではそこら辺を突いてきたりもしたわけです。PSP版はその部分にburstの時点で肉付けを施してくれたというところでしょうか。敢えて触れなかったことでC計画という禁忌の研究計画の不気味さを醸し出していた部分もあったとは思いますが、ま、補足説明としてはかなり上手に織り込んでくれたかなと思います。

 さて、次からはいよいよ物語の最後の舞台、豪華客船トリスタン…じゃねえや、V.S号での戴冠式に触れていきます。ここまで来るのに一年半かかったなんて…でも折角ですし、もうちょいなので最後までレビューして参りますよー。
posted by talk at 16:22| Comment(6) | 【PSP】burst error EVE the 1st | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんですってー!
茜が一番好きな一人です。(笑)
Posted by akira at 2011年08月04日 18:24
>akira様

 おお、お珍しい!長くこのサイトをやって参りましたが、「茜が一番好き」と公言する御方には初めてお目にかかった気がします。長くやってみるもんですなあ。

 だとすればakira様には大変申し訳ないことをしてしまいましたが、PSP版は茜のキャラ的にも地味になってしまってますからねえ…何でしょう、元来は割と目立つキャラだったと思うんですけど…何でここまでの地味キャラになっちゃったかなあ。
Posted by talk(管理人) at 2011年08月05日 04:26
あのハイエナ的な所と弱さが混じったメガネが良いのです。
ショートにして元気っぽさを出そうとする安易さが嫌いです。
Posted by akira at 2011年08月06日 08:21
>akira様

 確かにPSP版の茜は目もちょっとツリ目気味で、傍目にわかりやすい記号で「元気っぽさ」を表に出していましたね。PS2時のリメイク作品PLUSの時もショートに変更、かなりアクティブな衣装になったりもしましたし、「動き回るジャーナリスト」という設定を鑑みればそういう記号になるのかもしれませんが。

 元々小次郎に依頼を持っていくのも小次郎への好意ありきの行動だと思いますし、そういう女性らしさと同居するキャラデザとなるとなかなか難しいのかもしれませんが、後になればなるほど影が薄くなっているのはちょっと方向修正に躓いちゃったのかもですね。

 でもZERO時のむちむちな衣装は結構好きなんですけど(笑)
Posted by talk(管理人) at 2011年08月07日 17:24
こんにちは。ご無沙汰です。
のんびりマイペースにプレイされているようですね(^-^)

もうご存じかもしれませんが、17日に、バーストエラーやYU-NO、DESIREのサウンドを手掛けた梅本竜先生が、37歳という若さで急逝されました。
とても残念です。

PSP版をプレイしたことでさらに再認識できた本家バーストエラーの素晴らしさに彼の音楽という要素は不可欠だったと思います。
もちろんYU-NOやDESIREもです!

この先、もし万が一奇跡的にYU-NOのリメイク移植があったとしても、音楽は彼のものじゃないのかと思うと悲しいです(;_;)

日記の趣旨とは少しずれてしまいましたね。失礼いたしました。


PSP版出てから半年以上たちますかね‥?
もうだいぶ忘れてしまったからまたやってみようかなと思ってやっぱりやめた次第です(笑)
Posted by ユウカ at 2011年08月22日 16:52
>ユウカ様

 お久しぶりで御座います。PSP版発売から一年半くらい経過してしまいましたが、そんなことはお構いもせずにまったりとまるでスルメを噛み締めるが如くレビューしています。プレイ自体はさらっと済んだんですけどね。レビュー文章を書くとなると一仕事。たぶんユウカ様のその心境と同じような理由で筆も進んでいないということだと思ってます(笑)

 そして梅本竜先生の訃報は初めて知りました。ご冥福をお祈り致します。余りにも若すぎる他界は残念でなりません。

 PSP版burstをプレイしていて感じる物足りなさの大きな要因の一つはやはり音楽の違いだと私は思います。確かにリメイク版のサウンドもクオリティが低いわけではないのですが、原作の梅本サウンドを聞いてしまっているとやはり物足りなさを感じずにはいられません。

 探偵モノというジャンルの作品の中に織り込まれているミステリアスで神秘的なサウンドは、burstという作品を作り上げている大きなファクターの一つでした。YU-NOもDESIREも、サントラ単品で聞いても素晴らしいのですが、やはりゲームの中で聴くとそのシーンの効果と相まって良さが一際際だつような素晴らしさがありました。

 特にYU-NOという壮大で膨大なストーリーが複雑に絡み合っている作品のサウンドを、あそこまで見事に作り上げた手腕と才能には感動すら覚えるくらいです。サターンを引っ張り出してきてまたプレイしながらサウンドを聴きたくなってきましたねえ。

 しかし返す返す、その若さでお亡くなりになったのが残念でなりません。梅本氏が遺したサウンドに触れて偲ぶ事に致します…ぐすん。
Posted by talk(管理人) at 2011年08月22日 21:52
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